梅農家の1年
梅農家の仕事は「梅の木」という生き物相手の仕事です。
一年365日、梅の木と向き合う毎日。それは子育てと同じなんだと思います。
雨が降っても、風が吹いても、日差しが強くても、何かあるたびに梅の木の心配をする毎日です。
そんな梅農家の一年の仕事の内容をざっとまとめてみました。
その年ごとに、気候の差があるので多少のずれはありますが、ほぼ一年間こんな調子で過ぎていきます。
1月の農作業
梅の木の剪定作業の毎日です。
枝の切り方ひとつで今年の実りが変わってくるので真剣です。切りすぎてもダメ、切らなくてもダメ。難しいです。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」…本当に剪定は難しい。
なたね(なたね油をとったカス。有機肥料)をまきます。梅が花を咲かすのに一番エネルギーが必要なのと、なたねをやるとみつばちが寄ってくるから、一石二鳥!剪定のしば片づけもやります。
2月の農作業
みつばちの箱を設置し、梅の花の受粉の準備もばっちり。
あとは暖かい日が続いて梅の花がきれいに咲いてくれれば言うことなし。花のシーズンになると梅畑には観光で皆さんが梅を見にこられます。梅林の中の道は結構ややこしくて、迷子になる方もしばしば…。
そんな方たちの道案内もするんですよ。他には、梅畑の管理もしています。
3月の農作業
スプリンクラー(散水機)の試運転を開始し、壊れているところがあれば修理します。
配合肥料をまきます。(梅の実が大きくなりはじめるので、この時期に施肥)
梅の新芽や葉が虫に食べられないように、梅の防除作業も開始します。
4月の農作業
梅の消毒。春草を刈って梅畑をお手入れします。
作業しやすいように、虫が梅の樹にあがらないように…。
草刈りをすることにより刈られた草が梅の樹の肥料にもなります。
収穫のためのネットをひく準備。収穫まであと50日。
梅の実もぷっくりと膨らんできました。
あとは、季節はずれの台風がこないよう祈るだけ。
5月の農作業
消毒。先月に引き続いて梅畑に収穫のためのネット張り。
来月の梅の収穫を控えネット敷きの真っ最中です。
完熟した梅がネットの上をコロコロと滑りポイントポイントにたまるようにすると梅の収穫がとてもスムーズです。
梅の選果機を組み立てます。梅を収穫してから梅の実を選別するための準備も始まります。
6月の農作業
待ちに待った梅の収穫!!
梅の実がだんだんとぷっくりしてきました。
ふんわりと甘い香りがしてきたらいよいよ完熟梅の収穫(梅ひろい)です。
朝から晩までひたすら梅をひろいます。
7月の農作業
八香苑は広範囲に梅畑を所有するため、7月中旬頃まで梅の収穫作業を行っています。
梅の収穫がおわるとネットを片づける、これがまた大変な作業!
梅の樹にお疲れ様の気持ちを込めて、お礼肥(肥料やり)をします。
梅の収穫量に合わせて畑ごとにちゃんと調整します。
たくさん梅の実をつけた樹は弱ってるのでたくさんあげます。
今月末からいよいよ梅干の天日干しのスタート!!
8月の農作業
梅干の天日干し。
ひっくりかえして、またひっくりかえして…。
ただひたすら梅干の天日干し
ひっくりかえして、またひっくりかえして…。
あけてもくれても梅干の天日干し
ひっくりかえして、またひっくりかえして…。
9月の農作業
引き続き梅干の天日干しです。
みなべ町はまだまだ暑いです。
本州の南の端っこの和歌山県は太陽の日差しも強いです!
でも、このつよーい太陽の光がないといい梅干ができないのです。
暑さに負けずがんばります。
10月の農作業
梅干の天日干し作業があと少し残っています。
梅の樹の剪定と肥料やりがはじまります。
だんだんと太陽の光が弱くなってきたら梅干の天日干し作業も終了です。
11月・12月の農作業
主に梅の樹の剪定作業をしながら、梅の樹の改植を行っていきます。